そこでここでは、神社の参拝でお賽銭を入れるタイミングはもとより、参拝の全体的な流れを、それぞれの意味も含めて解説します。ちゃっかりしたり顔で、参拝手順を間違えている友達にドヤ顔で教えてあげましょう!
お賽銭を入れるタイミングって?
神前まで来てからの参拝のなかで、お賽銭を入れるタイミングを順序立てていくと、まず最初に
「お賽銭を入れる」か「鈴を鳴らす」
です。
お賽銭を入れるタイミングは、一番最初になります。しかし、鈴を鳴らすのを最初にしても問題ありません。神職さんの意見としては、お賽銭を入れるのと鈴を鳴らすのはどちらが先でも良いとのことです。
神社での参拝手順
全体的な順序は以下の通り。
- お賽銭を入れる・鈴を鳴らす(どちらが先でも良い)
- 2回お辞儀
- 2回手を打つ
- お祈り(感謝やお願い事など)
- 1回お辞儀
しかし、普段私達が行っている神社での参拝は、本来の参拝ではありません。本来の参拝といえば、「昇殿参拝」のことを指し、いつも私達が行っている参拝方法は、昇殿参拝を略式化した「自由参拝」なのですが、自由参拝には正式な手順の決まりごとは無いようです。つまりお賽銭を入れるタイミングはいつでもいいということになります。
それでもあえて正式な手順の踏むのであれば、昇殿参拝の手順の追うことになるので、昇殿参拝の手順を参考にお賽銭を入れるタイミングとその意味を解説します。
祭事において昇殿参拝をを行う際には、まずは供物を祭壇に準備し並べる事から始まります。そして順番に、
0.お供え物準備
1.修祓(シュウバツ)
いわゆる「お祓い」
2.降神(こうしん)
まじないや祈祷 (きとう) を行うことで神様を召喚すること
3.献撰(しんせん)
神前にお供え物をすること
4.祝詞奏上(のりとそうじょう)
神事のときに神前で読み上げて神に申し請うこと
5.玉串拝礼(たまくしはいれい)
玉串とは、榊の小枝に「紙垂(しで)」をつけたもの。
6.撤撰(てっせん)
神前の供え物をさげること。
7.昇神(しゅうしん)
神様にお帰りいただくこと
8.一拝(いちはい・いっぱい)
一度お辞儀をすること
9.直会(なおらい)
神事の終了後にお供え物を、神職を含めた参拝者達で頂くこと。
と言った順序になります。お賽銭は「お供え物」にあたります。お供え物を出すのは最初の準備と「献撰(しんせん)」になります。鈴のもともとの起源は、岩戸伝説のときに天宇受賣命が振ったとされる「鈴矛」が始まりとされています。巫女さんが舞を行うときに持っている奴ですね。本来なら最後に巫女舞が行われるようですが、今では鈴の音で神様を呼ぶ、つまり「降神(こうしん)」のために鈴を鳴らします。お賽銭には穢れを寄せて投げることで、心身を清める意味もあります。つまりは「お祓い」です。
お供え物の準備から献撰(しんせん)までの間に「降神」があることから、略式としては、お祓いで心身を清めてから神様を呼ぶのなら「お賽銭」を入れたから「鈴を鳴らす」、神様を呼んでから心身を清めるのなら「鈴を鳴らす」から「お賽銭」、解釈によってとどちらでも良いのです。
また鈴を鳴らす意味は、あなたが「参拝にきましたよ」と鈴の音で知らせ神様に気づいてもらうための行為ですが、お賽銭を入れた時の音にも鈴の音と同じく、あなたが参拝に来たことを神様に知らせる意味があるとのことです。意味としてはどちらも同じなので、やはりお賽銭と鈴はどっちが先でもいいってことなんですね。
お賽銭は入れない選択もある
参拝の流れの中で、お賽銭は必ず入れなくてはならないものではありません。お賽銭は義務ではなく、あくまでも任意なのでお賽銭を入れない選択もあるのです。鈴さえ鳴らせば神様に気づいてもらえるので、必ずしもお賽銭を入れる音が必要なわけではありませんしね。つまり、お賽銭を入れないのならば、お賽銭を入れるタイミングはどこにもないことになりますね。
神社の参拝でお賽銭て入れなくてもいいの?
お願い事をするのに、お賽銭を入れないと願い事を聞き入れてもらえないとか、ご利益を受けられないような気がしてダメなんじゃ?と思ってしまいますが、決してそんなことはありません。経済的に余裕があるのならいくら入れてもいいのですが、実はお願い事とお賽銭はあまり関係がないのです。詳しくは別の記事で解説していますので、気になった方はそちらを参考にどうぞ。
また、神社によってはお賽銭箱や鈴が無いところもあります。実際、神社本庁が本宗としている伊勢神宮には、お賽銭箱も鈴も無いですから。
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