そこでここでは、ほうじ茶のカテキン含有量はインフルエンザ撃退に効果があるのか?をはじめ、視って得するほうじ茶の秘められた健康効果など詳しく解説します。
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ほうじ茶に含まれるカテキンの量
ほうじ茶にカテキンは、どのくらい含まれているのか、他のお茶とも比較してみてみましょう。
ほうじ茶 | 6.2mg |
---|---|
緑茶 | 16.3mg |
抹茶 | 200mg |
となっています。こうしてみると、ほうじ茶にはカテキンはそんなに多く含まれてはいませんね。飲んだ時の渋みを考えても、緑茶や抹茶に比べて、ほうじ茶はすっきりしていますよね。
この違いは、それぞれのお茶の製造工程の違いによって生まれます。
もともと、緑茶とほうじ茶は同じ茶葉からできています。
緑茶は、生のお茶の葉を蒸して発酵のプロセスを止めて、その後茶葉を揉み、乾かすことで出来上がります。そこからさらに茶葉を焙煎してできるのが、ほうじ茶なのです。
この過程でカテキンが失われ、緑茶の半分以下までの量にとどまるのです。
ほうじ茶のカテキンはインフルエンザに効果ある?
そもそもカテキンとは、ポリフェノールの一種で、お茶の苦みや渋みのもとになる成分なんですね
さてそんなほうじ茶カテキンですが、含まれているカテキンはインフルエンザに効果が期待できるのでしょうか?
NK細胞を活性化でインフルエンザを撃退!
インフルエンザウイルスが身体に入ってくると、自らを守るために体内で、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)というものが働き始めます。
このNK細胞が活発に動くことで、外から入ってきたウイルスと戦い、やっつけてくれるのですが、この細胞、きちんと活性化しないと、うまく身体を守ることができません。
活性化のためには水分が大切なのですが、静岡県立大学名誉教授「伊勢村護」氏によると
茶カテキンを投与すると、この細胞活性が維持されとするマウス実験結果を得ています。つまり、カテキンを含むほうじ茶は、インフルエンザにもある程度の効果は期待できるといって良いでしょう。
殺菌効果があり、風邪予防、虫歯予防にも
ほうじ茶のカテキンには、細菌の細胞膜を破壊する殺菌効果もあり、食中毒を引き起こす0-157にも作用するという研究結果が確認されています。
殺菌力が強いため、ほうじ茶でうがいをすることで、食中毒の予防や、風邪予防、さらに口臭を抑制するのに、効果があります。もちろん、インフルエンザ予防にも期待できますね。
そして、他にも、口の中に長く残留する菌(ミュータンス菌)をやっつけてくれるので、虫歯予防にも役立ちます。
口からインフルエンザなどの菌が浸入することが多いので、ほうじ茶の愛飲していることは、必然的にインフルエンザにかかる確率を下げるのは必然と言って良いですね。
ほうじ茶のカテキンの更なる効果
ほうじ茶のカテキンには更なる嬉しい効果があります
ダイエット効果
カテキンには、脂質や糖質の吸収を穏やかにし、体脂肪の燃焼を助ける働きがあります。これによりダイエットの効果も期待できますね。
ただ、カテキンを取るという観点だけで考えると、含入量が多い緑茶を飲むほうが、効果的かも。
最近では、カテキンの体脂肪燃焼効果に注目して、カテキン濃度を高めた、特定保健用の飲み物もよく見かけますよね。
ただ、苦みや渋みがあまり好きではない方には、渋みが少ないほうじ茶の方がおすすめです。
ピロリ菌を抑えてくれる
またカテキンには、ピロリ菌の増殖を抑える働きがあります。
ピロリ菌は胃がんの原因になるということで良く知られています。
このピロリ菌に感染している人に、カテキンの入ったカプセルを投与する実験をおこなったところ、1か月ほどで、完全に除菌できた人が全体の約17パーセントにも上りました。
またピロリ菌には、アンモニアを作り、胃酸を中和してしまう、ウレアーゼ活性という悪い働きがありますが、カテキン投与により、半分以上の人のウレアーゼ活性が低下したという結果が認められています。
このように、ピロリ菌と戦ってくれる側面もあるんですね。
利尿作用が少ない
ほうじ茶には、腸で吸収されやすいという性質と、利尿作用が少ないという二つの利点があります。一旦身体の中に入ると、外に水分が出ていきにくく、吸収される割合も高いので、NK細胞を大いに活性化させるのです。これがほうじ茶の持っている、免役力アップの秘密ですね。
水分補給にも最適
みなさんは、のどが渇いたときに、紅茶、コーヒー、緑茶などを飲むことはありますか?実は、これらにはカフェインが多く含まれていて、利尿作用がとても高いのです。
水分補給をしたくて飲んでいるのに、カフェインを多くとることで、実際は水分を身体の外へ出してしまっていることになります。
残念ながら、逆効果だったんですね。
その点、ほうじ茶はカフェインが少ないことで、身体に水分が吸収されやすく、水分補給にはぴったりです。
悪玉コレステロールの抑制
さらにカテキンには、善玉コレステロールを増加し、悪玉コレステロールを減少させてくれるという働きもあります。この悪玉コレステロールは動脈硬化や、心臓疾患などを引き起こす要因として知られていますが、カテキンがこの悪玉コレステロールを減らすことができるのです。
その上、糖質の分解を阻止して、身体へ吸収されるのを緩やかにするため、高血圧、高血糖などのリスクを減らすことができます。
抗酸化作用
人間の身体に自然にたまっていく、活性酸素。
この活性酸素が過剰に発生すると、身体が酸化して、動脈硬化を引き起こしたり、生活習慣病や老化につながります。
この活性酸素の発生原因は、激しい運動、添加物が入った食品、喫煙、またストレスの多い生活などと言われています。
ほうじ茶には、この活性酸素を抑える抗酸化作用があるのです。
抗酸化作用が強いものといえば、他にはビタミンEやビタミンCが知られていますが、カテキンはさらに強力で、ビタミンEの10倍、ビタミンCの80倍の抗酸化作用があります。
ほうじ茶を飲むことで、身体の中から若々しくいられるのは、大変魅力的ですね。
血液サラサラで心臓病、脳卒中、がんリスクの軽減にも効果が!
カテキンには本当にたくさんの効果がありますね。
他にも、血液をサラサラにしてくれるという、ありがたい効果もあるといわれています。そのおかげで、血栓が出来て血管を詰まらせるという危険を回避してくれるため、心臓の疾患や脳卒中をリスクを減らしてくれる働きがあります。
心筋梗塞や脳梗塞などは大変重い病気なので、これを避けられるとしたら、とても大きな効果です。
健康に大きく貢献してくれるほうじ茶カテキンですが、体が健康的になれば、それだけでインフルエンザに負けない体作りが出来るので、間接的にんもほうじ茶カテキンがインフルエンザに効果があるともいえます。
直接、間接ダブルでインフルエンザを撃退しましょう!!
カテキン以外には、ほうじ茶にはどんな成分が含まれている?その効果は?
さて、ここまでは、ほうじ茶に含まれているカテキンに注目して、その効能を紹介してきましたが、他にもいろいろな成分が含まれています。
ここからはカテキン以外の成分にも注目してみます。
テアニン
リラックス効果
ほうじ茶に含まれるテアニンには、アルファー波を増やし、気持ちをリラックスさせる効果があります。これにより、身体が緊張やストレスから解放され、睡眠の改善にもつながるということが知られています。
カフェインとテアニンの関係
ここで大事なのは、カフェインとの関わりあいです。お茶に含まれる成分で、有名なのはカフェインですね。コーヒーに多くカフェインが含まれていることはよく知られていますが、ほうじ茶にも含まれています。
例えば、緑茶や玉露にもテアニンは多く含まれていますが、同時にカフェインも多く含んでいます。
ということは、カフェインがひき起こす覚醒効果が、せっかくのテアニンの効果を打ち消してしまうということになるのです。
一方、ほうじ茶は、焙煎されるときにテアニンもある程度減ってしまうのですが、カフェインも半分以下となり、テアニンのリラックス効果が、打ち消されずにしっかりと発揮されるのです。
カフェインが少なく、テアニンの働きが適度に発揮される、ほうじ茶ならではの恩恵ですね。
カフェインの含まれる量は?
抹茶や玉露に比べて、その含有量は少ないです。どのくらいなのか、比較してみましょう。
100mlに対して、それぞれのカフェインの含有量を比べてみると、
ほうじ茶 | 20mg |
---|---|
コーヒー | 50mg |
抹茶 | 30mg |
玉露 | 120mg |
となっています。差がはっきりしていますね。
よくカフェインの取りすぎで眠れなくなることがありますが、ほうじ茶にはそういった心配はありません。茶葉を焙煎するプロセスでカフェインが少なくなるため、一層飲みやすいお茶に仕上がっていると言えます。
カフェインのデメリット
カフェインにはいくつかのデメリットがあります。
利尿作用により、身体から水分を排出してしまうこと。
またその時にカルシウムも一緒に出て行ってしまうこと。
また鉄分の吸収を妨げてしまうこと。
血管を収縮させるため、身体が冷えやすくなること。
こうしたデメリットを考えると、カフェインが少ないほうじ茶は、身体への負担が少ない、やさしいお茶と言えるでしょう。子供からご高齢の方まで、また病気をされている方にもお勧めできるお茶です。
淹れ方にもポイントが
テアニンが出る量をもっと増やしたい場合、淹れるときにお湯の温度を80度にすることが好ましいといわれています。
熱湯ではなく、少し冷ましたお湯で入れるのがポイントですね。
また水出しにして、さらにゆっくり抽出させることで、香りをさらに引き出すという淹れ方もあります。テアニンは旨味成分でもあるため、水出しにすると(2時間から一晩かけてゆっくり)、香りも高まり、リラックス作用もさらに効果的になります。
交感神経を鎮める
テアニンが身体に入ると、交感神経の活動が収まり、副交感神経優位になるため、ストレスから解放され、集中力が高まる効果があることもわかっています。
同じ動作を何度も長時間繰り返すような、ストレスがたまってくる作業をしなければならない方に、おすすめです。
冷え性改善
また、テアニンには末端の血管への血流を改善する効果もあり、冷え性の予防にもつながります。
もう一つ、ほうじ茶の焙煎の過程で、ピラジンという成分が生まれるのですが、このピラジンにも、血流促進効果があると言われています。
結果テアニンとピラジン、両方の成分が身体を温めてくれるということなんです。
二つの成分がダブルで冷え性に良いとは、驚きですね。
認知症の予防
新しい研究によると、テアニンを摂取することが、脳内物質の働きに影響があることがわかってきました。
ドーパミンが放出される量が増え、記憶能力が上がったり、セロトニンの分泌に働きかけ、高血圧が改善する効能も確認されています。
また血流の改善から、脳神経細胞へのダメージが抑えられて、認知症の予防、症状の軽減が期待されています。
クロロフィル
消臭効果
クロロフィルには強い消臭効果があるため、口臭予防や、体臭予防に効き目があります。
また、雑巾にほうじ茶を染み込ませると、雑巾に消臭効果がもたらされるので、掃除の時に使うと、部屋の臭いを抑える効果があります。
意外な使い道があるんですね。
デトックス効果
またクロロフィルには、身体の中の毒素を外に出すデトックス効果もあります。
有毒な物質を体外へ排出することから、腸内環境が改善して、便秘解消にもつながるということが知られています。
このことはさらに、ニキビや吹き出物などの、肌トラブルの改善へとつながるので、美容・美白の効果も期待できるんですね。
生活習慣病の予防にも
先ほどのカテキンにもありましたが、クロロフィルにも、悪玉コレステロールを排出する働きがあります。
このおかげで、血中の脂質濃度を正常にして、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の予防する効果があります。
酸素供給を促すことで、体臭予防に
我々の体内では、酸素不足になると、乳酸や、含硫化合物や窒素化合物が腸内に発生します。これらは強い刺激臭を生むものですが、クロロフィルには、酸素供給を促して、これらの化合物が増えないよう働く力があります。このおかげで、腸内から嫌な臭いが発生することを防ぐことができるので、体臭の予防につながります。
ビタミンC、ビタミンE
美容効果
先ほども出てきた、抗酸化作用とは、ビタミンCとEの持っている作用で、身体が酸化して錆びてしまうことを防いでくれるという働きです。
ビタミンCにはコラーゲンの生成を促進し、肌に潤いをもたらす効能があります。皮膚にたくさんの水分を保持させ、肌にハリが生まれます。
またビタミンCには、色素が沈着することでできる肌のシミ、そばかすを改善してくれる働きがあります。
ほうじ茶にはレモンの5倍のビタミンCが含まれており、効果的に摂取することができるのです。
そんなに多く含まれているなんて、ほうじ茶の味や色からは想像がつかないですね。
ガン、老化を予防してくれる
ビタミンEの不足は、細胞のダメージを加速してしまい、老化やガンの危険性を招くものです。
ほうじ茶にはビタミンE、その働きを補助するビタミンCが両方含まれているため、効果的に摂取することができ、ガン、老化の防止に役立ちます。
飲み物なのにアンチエイジングの効果が期待できるとは、驚きですよね。
ほうじ茶と緑茶の製造方法の違い
ここまで、ほうじ茶カテキンをはじめ、効能について紹介してきましたが、緑茶とほうじ茶の違いについて、製造方法という観点から、少し紹介します。
緑茶とほうじ茶、もともとは同じ茶葉
緑茶もほうじ茶も、もとは同じ葉っぱから作られています。
でも、淹れたときの色は、緑茶が緑であるのに対し、ほうじ茶は茶色ですね。この違いは製造される過程の違いから生まれるものです。
緑茶の種類
緑茶にも種類があり、
日光を遮断して育てるもの(覆下園で栽培)・・・抹茶や玉露になる
日光を遮らずに育てるもの(露天園で栽培)・・・煎茶、番茶、ほうじ茶になる
の2種類に大きく分類されます。
この中の、煎茶と呼ばれるものが、一般的には緑茶とされており、私たちが緑茶を飲みましょうと言うときに指しているのは、この煎茶であることが多いのです。
煎茶を作るのには、新茶と呼ばれる1番茶が使われることが多く、みずみずしい香りをもっています。新鮮な茶葉ということですね。
この新鮮な茶葉を、蒸して揉んで作られるのが煎茶。
これに対し、ほうじ茶には3番茶、4番茶の葉が使われることが多いです。
3番茶、4番茶とは、収穫の時期を少し外れてとれたものや、煎茶を作る際に、はじかれてしまったサイズの大きな葉、少し品質が落ちたものを指します。
この茶葉を、きつね色になるまで強火で炒ることで、香ばしさが生まれます。この炒る工程のことを「焙じる(ほうじる)」と呼ぶため、ほうじ茶という名前で呼ばれています。
地域によって呼ばれ方も違い、さまざまな分類がありますが、ほうじ茶というものは、「焙じる」ことでできたお茶だと考えて、間違いはないです。
「焙じる」こと
この「焙じる」製造工程で、カテキンがある程度減らされることで、苦みや渋みが抜けるのです。同時にカフェインが少なくなり、口当たりもさっぱりとしたものになります。
まとめ
さていかがだったでしょうか。ほうじ茶にはこんなにたくさんの効能があるなんて、知らなかった方もいたのではないでしょうか。
身近にある、ありふれたお茶だと思っていたら、意外や意外、優れた点満載のお茶でしたね。
ほうじ茶は、こんな方々におすすめできると思います。
・勉学に励んでいる、集中力を高めたい学生のみなさんへ
・ここぞ、という時に結果を残したい、スポーツマンの方々へ
・ダイエットを心掛けている方へ
・水分補給をこまめに必要としている方へ
・カフェインが苦手な方へ
・風邪やインフルエンザなどを予防したい方へ
・生活習慣病が気になる方へ
・冷え性の方へ
・美容効果がうれしい女性の方々へ
・子供からお年寄りまで
こんなにたくさんの利点がある、ほうじ茶は魅力的ですね。久しぶりに飲んでみたくなりました。みなさんも、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
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