でも、台風みたいに渦巻く嵐って、ハリケーン、サイクロン、台風、トルネード、竜巻とか色々あるけど、それぞれ違いって何なのかいまいちよく分からないですよね。
台風はいつも日本に来るけど、ハリケーンやサイクロンが日本に来たなんて聞いたことがないし。
台風は漢字だから日本特有のもの?台風とハリケーンとサイクロン等で最強はどれ?ここではそれぞれの違いについて詳しく解説します。
ハリケーンとサイクロンと台風と竜巻とトルネードの違い
竜巻=トルネードですが、ハリケーンとサイクロンと台風とは別物です。竜巻(トルネード)の定義については語術します。ハリケーンとサイクロンと台風は基本的に同じものですが、若干の違いでその呼び方が変わります。台風は英語の「タイフーン」の当て字で、ハリケーンとサイクロンとタイフーンは、どれも「熱帯低気圧」を意味する言葉です。
ハリケーンとサイクロンと台風の違いは?
ハリケーン サイクロン台風は基本的には名前が違うだけなんですが、呼び方が変わるそれぞれの定義は、「存在地域」と「風力定義」です。
台風とハリケーンとサイクロンの定義は場所で決まる
台風の定義は、北半球の東アジア周辺の太平洋に存在する熱帯低気圧のことです。タイフーンもまったく同じですが、「台風」と漢字表記の場合は、タイフーンと少しだけ風速の定義に違いがあります。これについては後術。
ハリケーンは、日付変更線以東の大西洋にある熱帯低気圧のことです。
※南大西洋で、1960年中頃から一度も熱帯低気圧は発生していませんでしたが、2004年3月27日にその存在が観測されました。
サイクロンは、インド洋か南太平洋(太平洋の南半球側)に存在する熱帯低気圧を言います。
台風とハリケーンとサイクロンを地図で確認
台風(タイフーン)とハリケーンとサイクロン存在箇所を地図で確認してみましょう。
台風(タイフーン)とハリケーンとサイクロンの風力定義
風量定義とは、熱帯低気圧の風力が一定以上の強さになったとき、台風、タイフーン、ハリケーン、サイクロン等と定義される基準です。
風力定義と言っても、タイフーン、ハリケーン、サイクロンの風力定義は同じで、
「最大風速64ノット以上」(33m/s以上)
です。
これは世界基準で決まっています。
ただ「台風」の場合は、日本独自の基準で「最大風速34ノット以上」(17.2m/s以上)と定められています。台風が最大風速34ノット以上」(17.2m/s以上)にまでなったとき、「台風」は世界基準の「タイフーン」になります。とは言え日本では強目の台風と認識されるでしょうが。
台風とハリケーンとイクロンの最強ランキング
台風、ハリケーン、サイクロンで最強で最も危険なのはどれなのか?
タイフーン、ハリケーン、サイクロンは、前述したように風速の定義は同じで、その存在場所で呼び方が変わるだけです。個々の強さはその時々で違いはあって、瞬間的にどれかが最大強さの記録はあっても、タイフーン、ハリケーン、サイクロンを強さでランキングしようはありません。どれも同じものだから。
ただ台風だけは、風速定義が低いので、比較的に弱い部類と言ってもいいかもしれませんね。
竜巻の定義はハリケーン、サイクロン、台風、タイフーンとは違う
ハリケーン、サイクロン、台風、タイフーンが熱帯低気圧なのに対して、竜巻は熱帯低気圧ではなく突風の一種です。
突風とは、そのときの平均風速が突然1.5倍以上にた達した時の風を言います。
例えば平均風速4m/sの時に、最大風速が6m/s以上に瞬間的に達した場合「突風」と定義されます。
竜巻は、積乱雲を伴う強い上昇気流に外的に、回転する力が加わることで渦を巻き発生します。竜巻の大概は柱状か漏斗状の形状を取り、雲をその身に伴っています。ハリケーン、サイクロン、台風、タイフーン等の熱帯低気圧に比べ極めて小さく、竜巻の幅は数十~数百m程度で、被害範囲はだいたい数kmの範囲に集中します。ひどい場合は数十kmに被害が拡大することもあります。
竜巻が発生するメカニズム
1.地表の湿った空気が温かく上空の空気との温度差が大きくなると空気が上昇し、いわゆる上昇気流が発生。温度差の目安は大体40℃以上。
2.暖かく湿った上昇気流が上空の冷たい空気にぶつかると不安定になり積乱雲が発生。
3.発生した積乱雲が発達するとさらに強い上昇気流が起きる
4.地上と上空の風向きの違いや、強い横風等の外的要因で上昇気流に回転の力が加わり渦になる。
5.回転運動を伴った上昇気流が、渦の中心に吸い込まれていくことで、大きかった渦の半径が小さくなり、「角運動量保存則」に従って回転運動が非常に強いものになります。この状態が竜巻です。
竜巻の強さは?
竜巻は、範囲こそハリケーン、サイクロン、台風、タイフーンに比べ狭いですが、家屋を破壊することも多く、車程度なら簡単に巻き上げてしまうくらい強烈です。竜巻が発生したら、かなり強固な建物か、地下やトンネルなどに避難を強いられます。
ハリケーン、サイクロン、台風、タイフーンは、水害や土砂崩れを引き起こすことはあっても、よっぽどもろい家屋でなければ倒壊される心配は無いです。車を巻き上げることも無いので、車内でやり過ごすことも出来ます。(水害や土砂崩れには要注意!!)
竜巻の強さを単位で表記
竜巻の強さを表す基準には「藤田スケール」と言うものがあり。規模の弱いものからF0~F6の7段階で表します。風速の定義は以下の通り。
F0:32未満m/s
F1:33~49m/s
F2:50~69m/s
F3:70~92m/s
F4:93~116m/s
F5:117~141m/s
F6:142~169m/s
ただし、F5、F6は発生したら超壊滅的な被害が予想される規模だが、発生率はほぼ皆無。
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