ですがこういう小さなデジタル道具って電池交換が必要になりますよね?が、そんな時SR44とLR44の違いで、どっちのボタン電池かで迷うときってありますよね?見た目は変わらないから互換性はあるのか?どっちでも良いのか?
そこで、SR44とLR44の違いと互換性の有無、デジタルノギス等の精密機器とボタン電池での影響について解説します。
これを読めば、ボタン電池の交換のときSR44とLR44の違いや互換性に迷わなくなりますよ!
SR44とLR44の違いとは?
SR44とLR44の違いをはっきり分かりやすく言うと、LR44はSR44の廉価版です。つまり、SR44のほうが上位版と言うことです。値段的にもSR44のほうが高い傾向にあります。形や大きさは全く同じなのですが、その性能は大きく差があります。
SR44とLR44の性能の違いについて解説します。
SR44とLR44の容量の違い
SR44とLR44の容量は、SR44の容量は約160~180mAh程度、対してLR44の容量は約60~120mAh程度です。いまいちピンとこないかもしれませんが、単純に数字だけで判断すると、SR44の容量はLR44の1.5~2.6倍以上あることになります。
使用環境にもよりますが、期待値としては2倍は程度は長く使えると考えて良いでしょう。
ちなみに、お馴染み単3形乾電池の容量は、約2000mAh ~ 2700mAh程度。
SR44とLR44の経年劣化の違い
経年劣化とは字の通りで、時間経過による機能の低下をさします。電池も例外はなく、使用していなくても経年劣化は避けられません。SR44とLR44も例外ではありませんが、その構成上SR44の耐径年劣化性能はLR44のそれを大きく上回ります。長持ちは単に容量が大きいだけではありません。
SR44とLR44の出力特性の違い
SR44の重要な特徴として出力特性の安定性に優れているということがあります。出力特性とは、電池の残量にかかわらず一定の電圧出力を安定して出し続ける能力のことです。
電池を普通に使っているとき、その蓄電容量が少なくなってくると、その電圧出力も落ちてきます。モーターなら回転数が落ちてきます。時計の針がだんだん遅れてきたり、ラジコンカーがのろくなってきたりといったことになるわけです。
出力特性に優れていると、蓄電容量が少なくなっても電圧出力が衰えず、空になったときにスッパリと切れます。
電圧もちょっと違う
SR44の電圧は1.55V、LR44の電圧は1.5Vです。
SR44とLR44の種類の違い
SR44はLR44はそもそも材質が違い、SR44は酸化銀電池、LR44はリチウム電池です。LR44は、よく使われる単一形から単三形のリチウム電池と同じ種類です。
SR44とLR44の互換性は?
電圧に少し違いはありますが、SR44とLR44の互換性はあります。
互換性はあるのですが、何に使うかでも不都合が出るケースもあるのでポイントを押さえておきましょう。
SR44とLR44で互換性がある場合
ボタン電池を使う機器のメーカーが、LR44を指定しているのであれば、SR44も代用として使うことが出来ます。単純に性能の良い電池を使う気持ちで問題ありません。
電池切れによる寿命も長くなったり、むしろSR44のほうが良いといえます。コストはかかりますが。
SR44とLR44で互換性が無い場合
正確には互換性が無いと言うよりは、やめたほうが良いといったケースですね。
前述とは逆に、メーカーの電池指定がSR44だった場合は、LR44の使用はやめたほうが無難です。
理由としては、SR44ボタン電池を専用としている機器は、ほとんどの場合精密な数値を出すものが多いからです。出力特性のお話をしましたが、本来高性能のSR44を使うことを想定していた物にLR44を使うと、本来の電圧出力が安定しない場合が出てくることで、機器に狂いが出る可能性があるのです。
SR44とLR44でデジタルノギスに影響はあるのか?
さて、私の場合ミツトヨのデジタルノギスに、SR44かLR44どちらを使ったら良いのか迷ったんですが、ミツトヨのデジタルノギスはシビアな幅の計測を、センサーで精密にデジタル表示するわけですから、LR44ボタン電池を使用すると、わずか0.05Vの電圧差により静電容量式のセンサーに誤作動を起こさせる可能性があります。計測数値に狂いが出てしまうことになってくるわけです。
ミツトヨのボタン電池指定もSR44になっていることから、ケチらずにSR44を使ったほうが良いという結論になります。
SR44SWとSR44の違いって?
売り場には、SR44だけでなくSR44SWなんてものもあります。他にもSR44WやSR44SWPと末尾にPがついたボタン電池もあります。このSW、WやPの有無による違いって何なのか?
SWとWの用途
SWとWの意味は、腕時計用を意味します。ウォッチの「W」と言ったところですね。SWとWの意味の違いは、SWがアナログ針式の時計用で、Wがデジタル時計用のボタン電池を示しています。
とは言え、SWやWのついていないボタン電池と互換性を持たせているメーカーが多いようなので、SR44SWやSR44WはSR44の代用に使うことが出来ます。
ですが、時計にはちゃんとSR44SWやSR44Wの時計用を使うようにしましょう。特にデジタル時計にSR44やSR44SWを使うと、正常に動作しない場合があります。
SR44とLR44はどっちがお得か?
LR44のメーカー指定の場合、SR44とLR44はどっちがお得なのか?
メーカにより値段にばらつきがあるので何ともいえませんが、たまにしか使わないのならLR44のほうがお得になるかと言えますね。
型番末尾にPがあったら?
型番末尾にPがあったら、それはパナソニック製のようです。「Panasonic」のPっぽいです。他のメーカーではPの様な末尾はついていないようです。
ボタン電池SR44やLR44規格と型番一覧表
SR44やLR44は電池の型番を意味していますが、参考に型番の意味と、ボタン電池規格と型番一覧表を掲載しておきます。
電池規格型番の意味
電池規格型番の意味は、左から
- 種別記号
- 形状
- サイズ
となっています。
次に時計用か否かで、パナソニックさんだけPを付けています。
電池種類一覧表
マンガン電池は、普及した最初の種類なため、特定する記号がありません。他の種類が後から出てきたものに、区別のため種別記号を増やした感じですね。
種別記号 | 電池の種類 | 電圧(ボルト) |
---|---|---|
無記 | マンガン電池 | 1.5V |
B | フッ化黒鉛リチウム電池 | 3.0V |
C | 二酸化マンガンリチウム電池 | 3.0V |
G | 酸化銅リチウム電池 | 1.5V |
L | アルカリ電池 | 1.5V |
M | 水銀電池 | 1.35V |
P | 空気亜鉛電池 | 1.4V |
S | 酸化銀電池 | 1.55V |
H | ニッケル水素電池 | 1.2V |
ボタン電池サイズ一覧表
円筒形サイズ | 直径 | 厚み |
---|---|---|
R41 | 7.9mm | 3.6mm |
R43 | 11.6mm | 4.2mm |
R44 | 11.6mm | 5.4mm |
R48 | 7.9mm | 5.4mm |
R54 | 11.6mm | 3.05mm |
R55 | 11.6mm | 2.05mm |
R70 | 5.8mm | 3.6mm |
SR44とLR44の違いと互換性まとめ
この記事の要点を簡潔にまとめると
- SR44はLR44より容量が多く優れている
- LR44指定ならSR44は代用できる
- SR44指定ならLR44はやめたほうが無難
- SWやWは時計用を意味するが、あまり気にしなくてもOK
と言った具合になります。
メーカー指定に従ってけばまあ問題はありませんが、指定のボタン電離より性能の劣るものを使うを、不具合が出る恐れもあるので、なるべくならやめておきましょう。
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