カレーを夏場の常温で1日放置はヤバイ?
結論を言ってしまえば、カレーを夏場の常温で1日放置したら、食べないほうがいいですね。途中何時間か置きに定期的に何回かしっかり加熱(もしくは高温をキープ)していれば、夏場でも何日かは日持ちしますが(実際はそれでも保証できませんが)、本当の意味でカレーを夏場の常温で1日放置していたのなら、食中毒の恐れは飛躍的に上がります。
ちなみに、「常温」について詳しくはこちらの記事で解説しています。
案外大丈夫な方がいるのも事実ですが、お腹の強さには個人差はありますし、同じ夏場でも地域によって温度差があったり、各個人の環境によっても左右されますが、やはりおすすめはできませんね。
カレーで食中毒を起こしやすい温度と菌
カレーを夏場の常温で1日放置するのがヤバイのは、当然食中毒菌の増殖が関係しています。一般的に食中毒を引き起こす雑菌には、
- ウェルシュ菌
- サルモネラ菌
- O157
- 腸炎ビブリオ
- カンピロバクター
- ボツリヌス菌
等がありますが、特にカレーでは「ウェルシュ菌」での食中毒が多く報告されています。そして、カレーだけではありませんが、菌が爆発的に繁殖する温度があります。
カレーの菌が繁殖する温度は?
カレーに限らずですが、上記のような雑菌たちは、一般的に10℃から45℃の間で増殖を始めます。気温20℃以上になるととても活発になり、特に活発で増殖がピークに達する温度帯は、25℃から37℃くらいで、加えて湿度70%以上は菌にとって最高の増殖環境になります。近年では、梅雨から夏場にかけて30℃前後以上と気温が高めで、湿度も高めになっています。夏本番ともなると30℃代半ばの日も多くあります。
夏場の閉め切った部屋、夏場閉め切ったカレー鍋は、まさに雑菌にとって最高の繁殖コロニーです。近年では気温25℃以上、湿度75%以上になると「食中毒注意報」が発令される都道府県が増えてきました。
カレーの危険信号はどう見分ける?
とは言え、沢山残ったカレーを廃棄するのはもったいないと思うのが心理です。なので食中毒を起こしやすいカレーからの危険信号をいくつか解説します。踏ん切りがつかない方はぜひぜひ参考にして下さい。
食中毒は見た目で判断できるか?
夏場とは言え、1日の放置でカレーの見た目で食中毒になるのかを判断するのは難しいです。よっぽどの変化がなければ当てにはなりません。
カレーで食中毒の味を判断できるか?
料理が悪くなる基準に「味がすっぱくなる」といいますが、すっぱくなくても食中毒にはなります。「カレーの味が変ではない、むしろ1日置いたから美味しくなってる!」としても、何の保証もありません。カレーで食中毒を良く起こす菌にウェルシュ菌がありますが、このウェルシュ菌は味に変化をほとんどもたらしません。なので味も当てにはならないのです。
カレーで食中毒の匂いを判断できるか?
「すっぱい匂い」もよく判断の基準といいますが、ウェルシュ菌は匂いの変化もほぼもたらしません。加えてカレー本来の匂いは強いので、1日程度では匂いも当てにはならないのです。
菌の繁殖速度を舐めるな!!
菌の繁殖速度を舐めてはいけません!!菌の種類にもよりますが、菌が繁殖適正温度になると、早ければ10分程度、長くても1時間以内には増殖を始めます。そして最初の増殖から2時間程度の経過で、数10倍から数千倍までに繁殖します。菌の増殖は倍々です。ピークの時間帯に何時間も放置していたら、カレーがほぼ全て細菌に置き換わっていると考えていいでしょう!!見た目、味、匂いはともかく、増殖ピークの気温湿度に何時間も放置したカレーは廃棄しましょう!!!
絶対に冷蔵庫に保存するようにしましょう!
食中毒の対処方法!うっかり食べちゃった場合!
今までに食中毒になったことが無い場合、案外平気な気がして食べてしまう方も多くいます。なので食中毒患者が絶えないわけですが・・・
カレーを夏場の常温で1日放置したのにもかかわらず食べてしまったら、アウトな場合は8時間以内には下痢や嘔吐等食中毒の症状が出てきます。エアコンの効いた部屋でもいやな汗が止まらない場合もあります。水分は出て行くけど吐いてしまうから、水分が取れないという場合、夏場は特に危険です。
なみに脱水症状になってくると、手足の指先に痺れを感じてきますし、しゃべるのもしんどくなります。ここまで重くなってなかったとしても、ただでさえ夏場は体力が落ちる季節なので、だんだんと重くなる場合もあります。症状が軽めでも病院で点滴を打ってもらうようにしましょう。
下痢止めは飲まないように!!
下痢や嘔吐は、体内の菌を排出するための大事な症状です。下痢止めを飲んでしまうと、いつまでも大量の菌が体内に残り、、余計に症状が悪化してしまいます。くれぐれも下痢止めはのまないようにしましょう。